
「なんだか場違いじゃないかな……」
潮風を浴びながら髪の毛を揺らす真ういちゃん。ういちゃんの妹さんなだけあって、その姿はただ立っているだけでも様になっている。きっと本人としては、ういちゃんの妹…って言われるのは嫌がるだろうから言わないけれど、天性の可憐さ…って言えばいいのかな、そんなものを感じる。
「あははっ、そんなことないよ。ほら行こ?」
そう行って目当てのモールまで歩いていく。ふらふらと目的もなくウィンドウショッピングするの楽しいよね〜。真ういちゃんは不安なのか、私の手をぎゅっと強く握ってる。やっぱり普段から強がってるのかな……このお出かけで少しは心を許してくれたら嬉しいな。
「まなちゃん見てこれ! おっきい綿あめ!」
真ういちゃんが彼女の顔ほどの大きさのある綿あめを持ってはしゃいでる。分かる、可愛いよね~! 笑顔の真ういちゃんも可愛いし…
「ういちゃん、写真撮るよ~」
「ふぇっ!? わ、分かった!」
スマホを構えてぱしゃり。これがういちゃんならポーズも表情もバッチリ決めたんだろうけど、私としてはこっちの自然体で柔らかい笑顔の方の真ういちゃんの方が好きだな…ういちゃんもそんな笑顔、見せてくれたらいいんだけど。
「ねぇ、まなちゃんも一緒に撮ろう?」
「いいの? じゃあお邪魔しま~す」
綿あめを二人で真ん中で持って自撮りをぱしゃっ。うん、二人とも良い笑顔! さっき撮った写真と合わせて真ういちゃんに送信をすませておいて。普段は後回しにしちゃうこともあるんだけど、何故かこの時は、今送らないといけないって思ったんだ。
「ねぇ、まなちゃんは帽子って被る?」「帽子? うーん、初音ちゃんがよく被ってるのは見るけど」「お姉ちゃん…そうだよね」
通りがかった帽子屋さん。真ういちゃんは店内を見てるけど、どこか視線が別の場所を見てるような気がするのは帽子を通じてういちゃんを見てるからかもしれない。ういちゃんもキャップをよく被っている。ういちゃんはまだ有名になる前から被っていたし…自分の顔にコンプレックスでもあるのかな。
「私はね…自分の顔が嫌い。お姉ちゃんにそっくりで、お姉ちゃんと間違われるから。鏡を見る度に、お姉ちゃんが浮かんでくるから」
隣から聞こえた小さな声。小さい小さい心の叫び。喧騒に消えていく前に、私の耳に届いたのは良かったことなのかな。
「帽子を被ればと思ったの。嫌いな顔を見られることはなくなって、鏡でも見なくて済むって。でもそれすら…お姉ちゃんも考えてたんだね。私たちは姉妹なんだよ」
真ういちゃんの手を強く握ってその場から離れる。まだ中学生なのにここまで思い詰めちゃうなんて。
「ういちゃん、美味しいもの食べて、それから遊ぼう!」
「うん……まなちゃん、ありがとう」
「はー……美味しかったねぇ、お寿司」
「まなちゃん結構食べるんだね…」
「ふふっ、美味しいものは別腹ってやつ!」
お腹空いてたし、それに真ういちゃんに遠慮してほしくなかったから率先して食べちゃったけど……元気出してくれたみたい。やっぱり女の子は笑顔が一番だよね! そんなことを思ってた時だった、真ういちゃんが控えめにお願いをしてきた。
「まなちゃん…お姉ちゃんが持ってないもの、欲しい」
「ういちゃん……?」
「お姉ちゃんはまなちゃんとの思い出とか…曲とかあるから! だから…私は、まなちゃんとお揃いの…なにか欲しい…繋がりが、分かるやつ」
繋がり…それなら、なにがあるだろう…と考えて思い出した。確か共演した人がオススメのジュエリーショップがあると聞いたんだった。指輪…少し重いかな、ネックレスとかでもいいかも。そう考えてから、私は頷いて彼女をお店に連れていった。
「えっと…私がお願いしてなんだけど、ここで合ってる…?」「うん、合ってるよ? 二人だけのお揃いのアクセ買おう」
ここまでするなんて、と頭の中を私の中の私が過ぎる。ういちゃんの妹さんってこともあるけれど、同情してる? ううん…多分、そうじゃない。真ういちゃんが気になってるんだ。ういちゃんと似てるけど、ういちゃんとは違う。自分のアイデンティティを失った彼女のことが、彼女のことが……?
「まなちゃん…?」「あ、なんでもないよ! どれにする?」
「うーん……まなちゃんはピアスとか開けられないよね…じゃあ、ネックレスとか…でも、指輪……」
真ういちゃんは指輪が気になるのかな? 女の子の憧れだよね。私も気になるんだよね~。そんな風に二人で見てる時だった。背後から声が聞こえてきたのは。
「ここだよさきちゃん! この前共演した人から聞いたんだ。一緒の指輪とか買っちゃって…」「買うのはいいですが仕事中は外すんですのよ」
──まずい。ういちゃんだ。真ういちゃんの手を引いてその場を立ち去ろうとしたけど、もう遅かった。
「……お姉ちゃん…!」
今日はここまででおやsumimi~
>>6寸止めはケンコウニヨクナイ!!
まなういのデート……ありがとう…ありがとう…
ロクに手も繋いだことないういちゃんとプライベートでお揃いのアクセサリーなんてあるわけないよね…
続きが気になって仕方ないですよ~って叫びたくなっちゃう
sumimiお台場でお忍びデート!!……か
修羅場の予感ですわ~!
ガンダムは見ないんだ…
ういはつどっちもガンダムに興味ないし…
代用だったのが本命になる瞬間美味しいけどそう思うとはつさきの鏡写しだな…
毎晩の楽しみ…
修羅場ですわ
わたくし帰っていいです?
>>18さきちゃんがお姉ちゃんを狂わせて始めた物語だよ。
>>18真初華とも一応友達ではあるだろ…!
>>25気まずいですわ~!!
ここからなんとか意気投合したわたくしと純田さんはガンダムデートして
姉妹はガンダムファイトレディーGO!!する展開に持ち込めませんこと?
>>20おあつらえ向きなシチュがたくさんあるな…お台場有明周り…
お姉ちゃんのコクピットをビームサーベルで潰すね
お台場のモールはまぁデートスポットかな…
じゃああとは若いお二人に任せてわたくしたちはお茶でも…
>>23私からまなちゃん取らないで!!
>>24初華は姉盗られたんだしこれ言う資格あるな…
まなちゃんと祥ちゃんどんな話するんだろう…残り2人よりは当たり障りない会話できそうだけど
>>28才能コレクターな祥子の目にまなちゃんはどう映っているのか…
本来生きづらさを抱えてない過去に一点の闇もない子だから多分オブリビオニス棒的には反応しないはず
お台場がリングだ!
>>32スパイディVSスパイディ始まるの
ちょっと期待しちゃった
はつういの飼い主としてのマウントバトルが始まるかもしれない
>>33ヒートして普段は絶対口にしないようなこと言っちゃうまなちゃんも見たい…
ナンデワレハアアジャナイ?を誘発しそうなほどの閃光なんだ…
ここは一つ冷静に行きましょう
両手にパイ顔にもパイこれで完璧な布陣ですわ~!
祥……死んで……
むーこ……ここは離れて見にまわるべきにゃむ…
sumimiパイを両手にするか三角パイを両手にするか…
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