【バンドリ!】「海鈴…次は何を始めたわけ?」|にじげん!デイリー
名無しさん25/06/09(月)23:05そうだねx7

「見てわかりませんか?サーカスです」
立希が、中庭でまたバカなことを始めた海鈴を見るともなしに見ていた。海鈴は玉乗りをしながらジャグリングをしている。当然初華もいる。もはや中庭は、三羽烏の巣と言って差し支えなかった。
「海鈴ちゃん、八芒星ダンスやるんだって」
「やるものなの、それ?」
「見てください立希さん、ウーララー」
海鈴がさらに、火を吹きながら、チューバでお湯を沸かし始めた。立希はやはり見るともなしに見ていた。「どこへ行くんだかアベムジカ…」初華だけが、控えめに拍手をしていた。
と、そのとき。
「おわっと」
海鈴がバランスを崩した。
「海鈴!」「海鈴ちゃん!?」
ふたりが、地面に落ちていく海鈴を受け止めに行く。しかし、全ての間が悪かった。初華と立希がぶつかり、受け止める用意が消えた。そこに、上から海鈴が降ってきた。3人が、思い切り衝突する。
「いったぁ!」頭をしたたかに打ちつけて、地面にバタバタと散らばる3人。だが幸いにして、外傷はなく、各々ノロノロと起き上がっていく。幸いにして、外傷はなく。
〈三馬鹿、いれかわる〉

1: 名無しさん25/06/09(月)23:06

それからしばらく後。
「一旦状況を整理しましょう」と、立希が言った。「えー、頭をぶつけるのは、もうやらない方針でいいですね?」
「うん、痛いだけだったし…」と、海鈴が返す。
「あ~とりあえず、今日戻れなかったときのことを考える?」初華は、うんざりしたように言った。
しかし、この会話は、表面上はそのように見えても、実際は違った。立希は海鈴の言葉を喋っていたし、海鈴は初華の、初華は立希の言葉を喋っていた。つまり、先ほどの事故で頭をぶつけた結果、彼女ら3人は。
「入れ替わったって、そんなのどうやって戻すんだ…」
そう、入れ替わったのだ。よって今のは、初華の口から出た、立希の台詞だった。
「と、とりあえずネットで調べてみるから、スマホ交換しよ!」
「あ、ああ、うん」
「必要ですか?」
「ぜっっっったいいる!他人のスマホは!よくないから!」初華in海鈴が圧をかけた。「わ、わかりましたよ。一時的に、お互いの顔で開くようにしましょう」海鈴in立希が気圧されて同意する。

2: 名無しさん25/06/09(月)23:06

スマホを交換しながらも、各々、慣れぬ体にまだ戸惑っていた。それは身体の各パーツのスケール感も含めてだ。立希in初華は落ち着かなそうに座っていたし、初華in海鈴は神経質そうに自分の髪を撫でていた。そして海鈴in立希は…胸元が気になるようだった。
「おい海鈴」
「私のことですか?」
「お前しかいない…いや言いたいことはわかるけど、中身のお前はお前しかいないでしょ」立希は自分の顔を見ながら言った。変な気分だった。しかしそれは海鈴も同じだった。「三角さんに言われると変な気分です」
「まあそれはそうかもだけど、とにかく。私の体に変なことするなよ」
「なっ…!信用していないんですか、私のこと」
「念のためだよ念のため。今は大人しくしといて」
「今はですか?」
「…未来永劫大人しくしといて」
こう言わないと、海鈴は何をするかわかったものではない。海鈴も残念そうに下を向いている。嫌な想像をすると、立希は顔を赤くして、舌打ちをした。初華の体から、舌打ちは自然に出た。

3: 名無しさん25/06/09(月)23:07

このタイミングで、スマホを操作していた初華…見た目は海鈴…が声を上げた。
「あーっ!あったよ!入れ替わりの治し方!」
「は?そんなのあるの?」
「ネットの叡智ですねぇ」
立希と海鈴が初華と立希の体で、初華が入った海鈴に身を寄せる。
「えーとね、入れ替わりはぶつかると稀に起こるんだけど…戻すには正午ぴったりにチョココロネをババンボ様にお供えする儀式をやる必要がある…らしい!それ以外方法はありませんって!」
「は?内容はわけわかんないけど…正午?今もう昼休みなんだけど」
「ということは…最低でも明日の正午までこのままですか?」
「…そういうことになるね」
3人は絶望した顔で、しばらくベンチに座り込んだ。目の前には自分自身のしけた顔があるので、気分はさらに沈んだ。そうしている間にも他人の体が妙に馴染んでくるのも、より絶望感があった。

4: 名無しさん25/06/09(月)23:07

立ち止まってるわけにもいかず、次に口火を切ったのは海鈴だった。「とりあえず、適当にお互いのフリをして明日まで乗り切りますか。確か重要な仕事とかも、無いですよね?」
「うん、私は無いね…」
「~~~ッ!いや…確かにそれが一番面倒が起きないか…?私の場合は…家族とか適当にやり過ごしてもらえれば…」立希は渋面で海鈴の提案に乗る。
「わ、私もそれで構わないけど」初華もそう言った。しかし立希in初華に「でもさきちゃんだけにはぜっっったい説明してね!わかってくれると思うから!」と念を押した。
「あ…同棲してるんだっけ…わ、わかった」
立希も、祥子との桃色な空気は勘弁だったので、了承した。都合は揃っていた。立希もすぐにスマホを弄り始める。
「ん?立希さん何を?」
「今日のバイト出れないって連絡してる」
「いや待ってくださいよ!」海鈴が立希の手を掴む。絵面では立希が初華の手を。「そこは私がちゃんと立希さんとして出ますから!任せてください」
「そんなことさせると思うか?」
「まさか信用が…?」
「そのまさかだけど」
「…では仕方ありませんね」海鈴が掴む手を緩める。流石に諦めたかと、立希はホッとした。しかし甘かった。

5: 名無しさん25/06/09(月)23:08

海鈴が立希ボディの制服に手をかける。「立希さんの体が誰の元にあるのか思い出していただきましょうか」
「おい!!お前、なんでここからそんな卑劣な真似ができるんだよ!!!」
「目には目を、信用には信用を」海鈴は意味不明なことを言った。しかし途方もない大きさの人質を取られた立希は、それに逆らうことはできなかった。おぞましい取引だ。初華も、腰を浮かすと、ものすごい顔で立希に再度念を押す。
「立希ちゃん。立希ちゃんは、今日は真っ先に帰って家に籠ってね?さきちゃんが帰ったら速攻で、名前を呼ばれるよりも早く事情を説明してね?終わったらとっとと寝て明日を迎えてね?わかった?」彼女には鬼気迫るものがあった。立希はこれも了承するしかない。
「…わかった」初華が安心したように座る。絶対に譲れないものがあるらしい。「さきちゃんに一報入れておくからね。一応ね」

6: 名無しさん25/06/09(月)23:10

海鈴が、その初華の袖を引いた。
「三角さん。私として振る舞うときの注意ですが」
「はいはい、信用でしょ?わかってるよ。別に、私も人と会わないようにするよ」初華がすげなく袖を払った。
「…あの、もっと体に見合った優しい心を…」
「いきなり何十個もバンド辞めるのは優しくないよう!」
「海鈴は友だち少ないから大丈夫でしょ」
「な、なんで私がこんなに攻撃されてるんですか?」
「クッ…私だけ入れ替わりの損が大きい気がしてきた…」
結局、海鈴だけが、確実に立希として知り合いと会う時間があるのだ。立希が完全に貧乏くじを引いている。
「とにかく海鈴は細心の注意を払って私として振る舞って」立希は釘を刺した。
「わかっていますよ…あっそうですね、立希さんだったら違いますね」海鈴は咳払いをして言い直す。

7: 名無しさん25/06/09(月)23:12

「まっかせとけ~い!」
「うわっ海鈴ちゃんまずいよ。解像度が低すぎるよ」
「すみません、今のはちょっと力みました」
「おい海鈴…」
「あ、立希ちゃんも!それダメ!」初華が立希を静止する。「しばらくは私なんだから、もっと私らしく!そんな強気じゃなくて、人以下の可哀想なミジンコみたいに振る舞わないと!」
「じ、自己評価ヤバ…」立希が初華の闇に怯む。
「ちょままてって!だいじょぶっつーか!」横では海鈴が鳴いていた。
「もしかしてそれも私か…?」
「はい」
「それは違うよ…全然立希ちゃんじゃないよ…」
「もうこいつは…この辺に縛りつけておこうかな…」
「だから私の体でそんなこと言っちゃダメだよぅ!やるなら黙ってやろ?」
「ちょまま!立希さんの体ですよ!?」
と、そうこうしているうちに海鈴の立希トレースが完了し、3人は午後の授業を大人しく受けた。しかしその後のそれぞれの家に帰ることを思えば、立希と初華は気が気ではなかった。実際、コトはここから拗れていくのだ。

8: 名無しさん25/06/09(月)23:12そうだねx1

三馬鹿とは、見切り発車

9: 名無しさん25/06/09(月)23:16

海鈴だけは一人暮らしなお陰で一番リスクが低いのか…

10: 名無しさん25/06/09(月)23:17そうだねx3

家に帰るのは危ないよ…3人で泊まろう?

11: 名無しさん25/06/09(月)23:17そうだねx1

生徒会長に相談したらなんとかしてくれそうだが…

19: 名無しさん25/06/09(月)23:25

>>11弦巻家にそんな感じの装置あったからな…

12: 名無しさん25/06/09(月)23:17

ややこしいことになってんな…

13: 名無しさん25/06/09(月)23:18

初音バレするリスクがデカすぎる…

14: 名無しさん25/06/09(月)23:19

今日はここまでなのかよ

15: 名無しさん25/06/09(月)23:20

海鈴絶対面白いことになるじゃん

16: 名無しさん25/06/09(月)23:22そうだねx2

立希ボディと海鈴のスマホがセットで存在するのはマズいよ

27: 名無しさん25/06/09(月)23:43

>>16裸の自撮りが…

30: 名無しさん25/06/09(月)23:47

>>27信用…と思ったけど本文で既に信用崩壊してた

17: 名無しさん25/06/09(月)23:22

りっきーが初音の躰で祥子に犯されるんだワ…

18: 名無しさん25/06/09(月)23:23

>>17私の身体でさきちゃん盗らないで!!!

20: 名無しさん25/06/09(月)23:26

海鈴だけいい思いしてる…

21: 名無しさん25/06/09(月)23:27そうだねx3

大丈夫すべて理解していますわ今日はそういうアブノ…凝ったイメージプレイをして愉しもうということでしょう?
みたいな勘違いで止まってくれないやつ

22: 名無しさん25/06/09(月)23:34そうだねx1

多分ピコ世界

23: 名無しさん25/06/09(月)23:38

最初のレスが4コマ漫画の一幕すぎる

24: 名無しさん25/06/09(月)23:39

さきちゃんが名前呼ぶ前に説明してに何か普段使っている合図のようなものが見え隠れしている…

25: 名無しさん25/06/09(月)23:41

りっきーはこのまま祥子とやっちゃっていいんじゃない?
たまにはいい目見ようぜ

28: 名無しさん25/06/09(月)23:43

>>25後が怖いんだよ!!!

26: 名無しさん25/06/09(月)23:42

とりあえず全員で一人暮らしの海鈴の家にでも行かないか?

34: 名無しさん25/06/09(月)23:55

>>26まず本人にそんな発想がない
初華はおそらく関心がないから知らない
りっきーがうっすら聞いてるくらいか…?一人暮らしなの

29: 名無しさん25/06/09(月)23:45

祥子とそうなったらもう背後が怖くて授業中黒板の方向けなくなるんだよ!

31: 名無しさん25/06/09(月)23:48

なんなら祥子の寝顔見るだけで殺してきそうだぞこの初華

32: 名無しさん25/06/09(月)23:48

最近祥子が私を見る目が色っぽいんだよ!

33: 名無しさん25/06/09(月)23:49

三馬鹿の絆もここまでか…

35: 名無しさん25/06/09(月)23:58

一番最初のサーカスで今度は皆で曲芸でもやるのかな?と読んでたらとんでもない方向に行ってた

36: 名無しさん25/06/09(月)23:59

その身体だと祥子見たら抗えない衝動が湧いてきたりしない?大丈夫?

37: 名無しさん25/06/10(火)00:00

りっきーボディゲットで頭バラ色なのはわかる
わかるが…頭男子高校生かよ…

38: 名無しさん25/06/10(火)00:02

初音は初音である事がバレかねん極めてリスキーな状態だからな

39: 名無しさん25/06/10(火)00:02

祥子が初音に「祥子」と呼ばれることが癖になるんだよね…

40: 名無しさん25/06/10(火)00:04

こういうときにもそこそこ本人認証に役立つスマホか……
試しに初音に掛けたら目の前の相手には繋がらない…とか

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